核家族で育って、親戚はみんな遠くに住んでいた。
お金がかかるからという理由で、ほぼ帰省したことがなく、しかも、家族全員で帰省したことは一度もない。
お盆にみんなで集まってお墓参りに行くご家庭に憧れていた。
うちの家族だけでもお参りに行きたいと言っても、近くに縁者がいないから、当然近くにお墓もなかった。
どうしてもお墓参りが諦められなかった小学生の私は、歩いて行ける程近くの、知らない人のお墓参りを一人でしていた。
とは行っても、お墓の草むしりをして、手を合わせるだけ。
水子供養のお地蔵様にも、小学生の女の子が一人で手を合わせているシュールな光景をつくっていた。