宗教にはまれなかったこと
死ねないから生きるしかない、と決めてから、何か縋るものがほしかった。
両親の代わりになるような存在を求めて、何か何かと焦るうちに「宗教だ!」と思いついた。
親から離れて自立したくても、アパートを借りるにも就職するにも保証人とかの問題が出てきてしまうから、利己的な目的だけど、誰か後見人に当たる人を求めていた。
元々、某宗教に生まれながら入っている二世の子がいたから相談してみた。
入るつもりで、いろいろな話を聞いたけど、なんだかピンとこなくて、宗教巡りをすることになってしまった。
残念ながら仏教系の信仰宗教が肌に合わなくて、じゃあ次はクリスチャンかなと思い、タウンページから電話番号を探し、電話をして教会へ行ってみた。
牧師さまはとても素晴らしい人で、この人の側にいたいと思うのに、そこの宗教の集まりに参加するのは、仕事と時間が合わなく、罪悪感が募った。
牧師さま以外の人とは居心地も悪かったから、そこも離れることになった。
結局どこにも属せず、一人でお寺や神社を訪ね、一人で本堂でぼうっとして過ごしていた。
頭のどこかが冷めていて、何かを盲信的に信じたことがないから、信仰しているものがある人が羨ましくてならない。