お弁当箱
お弁当箱を買ってもらったことがない。
うちのお弁当はタッパーに詰められていた。
お友達のお友達箱が羨ましかった。
お揃いの箸ケースやお弁当袋。本当に羨ましかった。
可愛くて、セットになっていて。
お弁当の日も、お友達は何ら気にすることなく机の上に出して、みんなの前で蓋を開けて食べていた。
私はタッパーで、家の箸。
箸ケースも買ってもらえなくて、先をアルミホイルで包んで持って行っていた。
色褪せたバンダナで包まれていた。
お弁当箱の中身も、見た目がぐちゃぐちゃで、みんなにお弁当を見られるのがつらかった。
隠して食べている子もいたけど、その子よりも中身がひどくて、惨め過ぎて逆に隠せなくて、気にしてませんという体で食べていたけど、お弁当の日はいつも泣きたい気持ちだった。
我が子達にはいつも自分で選んだ好きな物を与えています。
かわいい我が子達にあんな惨めな思いをさせたくない。
惨めに育った私は、学校がとてもつらい場所だった。
みんなと違うことがつらくてつらくてたまらなかった。
惨めなことがばれるのがこわくて、人の輪に入れなかった。気配を消していた。
我が子は光のあたる場所で育ててあげたい。