自分の絵や字が嫌いだった
自分のことがずっと嫌いだった。
勉強は嫌いじゃなかった。答えさえ合えば○がつくから。
図工や美術が嫌いだった。
自分の内面を知ったら、母のようにみんな私を嫌いになってしまうと思っていた。
だから、内面がばれてしまうような勉強は苦痛で仕方なかった。
内面がばれないように、頭に浮かんだものは作らず描かず、見本に似せたもの、同級生の作品を真似した物しか作れなかった。
字を書くことも苦手で、自分というものがないからか字がころころと変化した。
右上がりになったり、右下がりになったり、丸文字になったり。
いいなと思う人の筆跡を真似た。
自己を徹底的に消そうとした。
自分じゃない誰かになりたくて、毎日毎日内面の矯正をしていた。
それでも、お母さんには全く相手にされずほとんど無視か、お小言のみの会話だった。