地下が怖い。地下鉄が怖い。
大人なのにバカみたいだけど、乗り物に乗るのが怖い。
自分の意志で止まらない乗り物に乗るのが怖い。
外が見えないのが怖いから、地下鉄は尚更怖い。
動悸がして、汗をかいて、途中下車したい誘惑と闘う。
あまりにも怖いから、仕事中の夫に励ましてほしいとLINEをし、本当にはた迷惑な行動なのに、夫は褒めてくれた。
震えが止まらないから、子どもの写真を見て、地下鉄だということを忘れるように努力して、無事に目的地に着いた。
電車に乗るといつもこんな感じになる。
不思議なのは、行きだけ。帰りは平気。
こんなんで立派に子どもを育てられるのか、足枷にならないか不安になる。
もっと、かっこいい素敵なお母さんになりたい。
自分はどうしちゃったんだろう。
いつ治るんだろう。
薬ばっかり飲むのも嫌だ。
人混みも怖いし、乗り物が怖い。
不安
今日はどうしても一人で電車に乗らなければいけなくて、乗っている。
怖くて、もう、めまいがする。
泣いてしまいそうだ。
どうしてこんななんだろう。
何が怖いのか考えてみたら、電車のスピード、大きな街に一人で行くこと、人混み、地下鉄、迷子になりそうなこと。
本当に子どもみたいな理由だけど、怖くてたまらない。
お母さんはカウンセラー
毎日帰宅後に、夫と子どもの一日の出来事を聞く。
安心して眠れるように、不安や不満を受け止めたいと思っている。
家の中での、カウンセラーでありたい。
おやつを食べながらだと、「忘れた」と何も言わないこともある。
でも、疲れたと甘えてくる気持ちを受け止めて、抱っこしたり、耳掃除したり、肩や足を触ってマッサージしていると、思い出した一日のいろんなことをぽつぽつと話してくれる。
朝は、不安を抱えたまま出発しなくて済むように、つらつらと話すことを聞く。
想像しながら聞いて、夫や子どものいいところ、できているところを伝える。
いてくれるだけでどんなに毎日嬉しく思っているかを伝える。
安心した顔を見られてから、送り出す。
夫は中間管理職としての仕事がとても大変で、子ども達は学校での集団行動が大変で、みんなよく頑張ってるなと尊敬する。
私も頑張ってるから、私のことも聞いてもらう。
私は繊細な子どもで、登校前は頻繁にトイレに行っていたし、苦手な子に挨拶するのも苦手だった。
学校に行くだけで動悸もした。
休みたいと仮病を使おうものなら、父や母にびんたされ、無理やり引きずられ、勝手に洋服を脱がされ、余計につらい気持ちになるだけだった。
母の愚痴は聞かされていたのに、母は私の愚痴を聞いてくれなくて、「子どもは子どもらしく」と突き放されるのが寂しかった。
家族に気持ちを汲んでくれる人はいなかったし、家にも学校にも居場所はなくて、どうしてこんなに寂しいんだろうと思っている子どもだった。
父や母に相談しても、父は気にしなきゃいいの一言で話を聞いてくれないし、母もあんたは湿っぽい子と言って、兄や妹を見習いなさいと言うから、一人で不安と闘っていた。
私は、「いてくれるだけでいいんだよ」と言われて育ちたかった。
その言葉がどんなに魔法のように心を強く、安心させてくれるかを知っているから、毎日毎日、いてくれるだけで幸せにしてくれるよ、ありがとうとメッセージを込めて、いろいろな声をかける。
自分の食事
夫と子どもの身体をつくるのは、母である私の仕事だと思っている。
3人に食事を出したらほっとしてしまって、自分の食事には無頓着になってしまう。
昨夜から体調が悪くて、ここ数日のことを思い出していたら、タンパク質をほとんど食べていないことに気がついた。
子ども達が、おかわりをほしがるときに、自分のお皿から与えてしまう。
我慢ではない。
食べ盛りの子ども達を見て嬉しくて、幸せな気持ちであげてしまう。
元々の自分のお皿に、ただでさえおかずは少なめによそっていて、それをあげてしまうから、栄養不足になってしまっていたようだ。
セルフネグレクトをしないようにと思っているのに、私はいつもバランスが悪い。
今夜からは次の日に回せるくらい、残るくらいのおかずを作ろう。
喧騒が消えた朝のリビング
夫が出勤し、子ども達が登校した。
みんなが外出すると、リビングは途端に静寂を取り戻す。
疲れていても家に誰かがいれば、食事を出したり予定や持ち物の確認をしたりすることができる。
一人だと疲れが出てしまって、ほとんどのことがどうでもよくなってしまう。
自分のためには頑張れない。気力もわかない。
子ども達がけんかしていると、騒がしいから静かにしてほしいなぁと思う。
あまりのけたたましさに耳がじんじんするときもある。
なのに、家から気配が消えると寂しくなって、あの喧騒の中に身をおいていたいと思ってしまう。
地味な洋服
目立ちたくないから、洋服は地味なものを選んでいた。
お化粧も眉を描くくらいで、ほぼ何もしなかった。
誰の印象にも残らないでいたかったから、とにかく目立たないように気配も消してひっそりと生きていた。
洋服は形が気に入ったら、その形の中で一番地味な色を選んで買っていた。
試着が苦手で、一秒でも早くお店を出たかったから、試着もせずに買い続けた。
クローゼットを開けると、ベージュ、グレー、白の洋服しかなかった。
正直全く似合っていなかった。
写真を見返すとものすごく顔映りが悪くて、どの写真もいつも不健康そうに見えた。
自己肯定感がつくにつれて、試着もできるようになって、少しずつ肌に合う色の洋服を買えるようになってきた。
他の人から見たら冴えない見た目だけど、スカートを履くようになったら子ども達が喜んで褒めてくれるようになった。
子ども達が喜んでくれるように、なるべく身綺麗にしていようと思った。
美容院も私には贅沢に感じてしまってなかなか行けないけど、なるべくこまめに通って身綺麗にしていたい。
私の夏休みが始まる
子ども達は今日から新学期。
ひと月ちょっとの夏休み中、ほとんど怒らずに過ごせた。進歩!
今日から、自分の夏休み。
ゆっくりアイロンをかけたり、拭き掃除をしたり、のんびり家の仕事ができる喜びよ。